三回勝負
「三回勝負でお願いします」
「わかりました。掛け金は?」
「まずは様子見で、10ガルド」
ディーラーがトランプをシャッフルして、シンとその相手にカードを配る。
「三枚取り替えてください」
「私の方も三枚」
三枚の手札を捨て、山札からディーラーがシンと相手に三枚ずつのカードを配り終えた。
「それでは、勝負をしますか、それとも降りますか?」
「私は10ガルド上積みで」
シンは相手の『上積み』の言葉を聞くと、
「降参」
そう言って早々と勝負を降りた。手札が皆に見えるように、両者ともカードをテーブルにおく。
「お客様は勝負を降りない方が良かったですね。スリーカードですよ」
相手はツーペア。シンよりも弱い手札だ。
シンは額に手を当て、
「あちゃ〜、失敗しちゃった」
と天を仰いだ。
「…何やってんのよ、あいつ…」
クレアはイライラした様子で髪をかきあげる。スリーカードならがんがん攻めればいいのだ。慎重になりすぎだ。
そして、ディーラーはまたカードを配りだした。
手札を両者に配り終える。
シンは手札をしばらく見つめて、
「二枚、交換してください」
「こちらは四枚だ」
手札を両者共捨てて、ディーラーから新たな手札が手渡される。
「それでは…」
「30ガルド追加」
ディーラーが言い終わる前に相手は金を上積みしてきた。
シンは苦渋のおもも面持ちで、
「じゃ、僕も30ガルド…」
そう言って30ガルドを出した。
相手と同じ掛け金を出さなければ勝負は出来ない。
「上積みはなさりませんか?」
ディーラーがシンの相手に確認する。