クレア
「むきぃぃぃぃぃ!」
クレアは髪を掻きむし毟りながら、まるで類人猿のような奇声を発していた。
なぜなら有り金全部すってしまっからだ。
最初は調子が良かったのだが、段々と負け始め、遂には持ち金0になってしまった。
(でもおかしいわよっ!どうしてブタばっかりしかこないのよっ!)
クレアはポーカーをやっていたのだ。さっきも言ったとおり、最初は勝っていた。だが、ディーラーが変わった途端に手札が全く揃わなくなったのだ。
(どう考えてもイカサマよぉぉぉぉぉぉぉっ!)
そう叫びたいが、証拠が無い。
悔しくて悔しくて、じたんだ地団駄踏んでいると、
「…貴様は何と言う奇声を発しているんだ…お前は猿か?」
呆れた様子で、クレアのすぐ後ろにレイが立っていた。
「…うっさいわねぇ…」
クレアはうるさそうに髪を掻き上げ、ボヤク。
「クレア、ひょっとして負けちゃったの?」
シンがレイの後ろからひょっこりと姿を表す。
「…………」
シンの問い掛けにクレアは沈黙と、これ以上は無い、という位不機嫌な表情で答えた。
「…貴様のようなイカサマ師でも負けるとはな…」
レイが両目を閉じ、腕を組んでボソリと呟く。
「…あたしが?イカサマ師?」
クレアはうざったそうにレイの言葉に答えたが、
「…最初に貴様と出会った時のコイントスで、お前がマジックストーンを使える、とわかっていれば簡単にわかるトリックだったんだが…」
レイのその言葉を聞いてクレアは振り向く。
「…俺が貴様の使ったトリックを説明している間に、お前はマジックストーンを発動させて、自分の手の周辺の気温を一気に下げてコインを青にしたんだろう?…見事にしてやられたよ…」
「…いつ気づいたのよ?」
「…お前がコング、という輩と戦ってマジックストーンを発動させた時に、だ…」