氷の刃
三本の大きな鋭い氷の刃が男に向けて放たれた。
男は一本の氷の刃を剣で切断し、もう一本の頭部に放たれた氷の刃も間一髪でかわした。だが、残る一本は男の胸に深々と突き刺ささる。
男は地に前のめりに倒れ伏した。
それを見たクレアはほっ、と一息ついた。
しかし、戦場では一人の敵を倒しても、他の全ての敵を倒すまでは戦闘は終わらない。
銃声が響く。
クレアはその銃弾が自分に向けられ、命中した事に気づくまで、三秒の時間を要した。
銃弾は右肩を貫通していった。ショートソードが地面に落ちる。
それと同時にクレアも地に倒れてしまった。
一人の男が、自分の三メートル手前まで歩み寄り、頭部に狙いをつけてピストルを構えたのが見えた。
肩の痛みがひどくてうまく立ち上がれない。
男が引き金を引こうとした時。
男は突然、その動きを止め、地に崩れ落ちた。
男の後ろから見覚えのある男の姿が見えた。
「…戦闘中に油断することは、そのまま死に繋がる…よく覚えておけ…」
「…うっさいわねぇ」
レイの顔はほんの一瞬、安堵したかのような表情を見せた。悪態を言える位の体力があれば死ぬ事は無い。