航海3

轟音

轟音

「な、何。一体何が起こったの!?」

クレアは凄まじいごうおん轟音によってベッドから飛び起きた。

慌てて、

「シン、大丈夫!?」

声をあげるが、シンの返答は無い。辺りを見渡して見るが、シンがいないのは勿論の事、レイの姿も見当たらない。更には二人の荷物も無い。

机の上に一枚の書置きと、大きな袋があるのをクレアが見つけるのに、時間はそれ程かからなかった。

書置きを手に取って、クレアは文面を読み始めた。

クレアへ。この手紙を読んでいる頃には僕達はこの宿にはいない。クレアには悪いけど、クレアを僕達の旅に連れて行く訳にはいかない。クレアを必要としている人がまだたくさんいるだろうし、クレアには普通の生活をして欲しい。

ここにカジノで勝った分の10万ガルドを置いていく。クレアならこれをうまく使ってくれると思う。

ちょっとの間だったけど、とても楽しかったよ。どうもありがとう。

                                   シン

俺達のことは綺麗さっぱり忘れろ。それがお前の為であり、俺達の為でもある。

俺はシンのように礼は言わない。ただ、お前といる間、シンは本当に楽しそうだった。それだけは感謝している。