大金
「…クレアは…子供達の為にも大金が必要なんだ…僕に出来る事はそれ位だからね…」
「…あの女の強欲振りは訳有りだと思っていたが…そんな理由があったとはな…」
レイがボソリと呟く。
「…クレアは…死んじゃ駄目なんだ…まだまだ…必要としている人がたくさんいる…」
シンは寂しそうに、星の瞬く夜空を見上げて微笑む。
「…僕を必要としてくれる人は…この世界に一人でもいるのかな…」
普段のシンからは想像出来ない程、弱々しい微笑みだ。
「…俺では不足か?」
シンの瞳を真っ直ぐに見つめてレイが問い掛ける。
「…レイ一人で…僕には充分過ぎるよ」
シンは精一杯の笑顔を造った。見る者の心が痛む微笑みだ。
レイは何も言わない。何か言ったところでシンの心を癒すことは、レイには出来ない。
二人が再び砂を踏みしめ、歩き出したその時、街中から爆音が響いた。