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まだ夜も明けぬ、深夜十二時。町の人々は皆眠りについていた。
…一人の少年と、一人の青年を除いて…
「行くぞ、シン」
「…うん」
二人は正門から歩いて街を出た。エアバイクでは騒音が大きくて街の人を起こしてしまうかもしれない。
シンは名残惜しそうに街を見つめていた。
「別れ、というものは辛いものだ…だが…」
レイがそこまで言いかけて、シンは頷いた。
「…わかっている…僕達の旅は危険極まりないんだ…前回もクレアを巻き込みそうになった…これ以上迷惑はかけられない…」
そう言ってシンとレイは街から離れるべく、歩き出した。
「…だが、あのポーカーは傑作だったな。大体、お前が物質粒子化装置の値段など知っている訳がないからな…」
シンは、あははっ、と声に出して笑う。
物質粒子化装置は、レイが旅のさいちゅう最中に古代遺跡で偶然発見したものだ。
こんな高価なものを二人が買える訳が無い。
「しかし、いいのか?あんな大金を奴に残して?」
シンはカジノで勝った全額をクレアが眠る部屋に置いてきた。今は数百ガルドが手元にあるだけだ。
シンはレイの方は見ずに頷く。
「…クレアは…子供達の為にも大金が必要なんだ…僕に出来る事はそれ位だからね…」