手札
「…降ります」
相手は力なくそう答えた。
シンはにこやかに微笑んだ。
手札が開示される。
シンの相手は7のフォーカード。
しかし、ポーカー台を囲む全ての人間、レイやクレアも含めて、シンの手札を見て同時に素っ頓狂な声をあげた。
「ブタっ!!!!????」
シンは両肩を竦めて、舌をぺロッ、と出した。
そう。最初からまともにやってもこのポーカーでは勝てない、と思ったシンはある作戦をたてた。
まず、このカジノの傾向は最初に勝たせて、相手が金額を多く賭けてきた時にがっぽり頂く、というものだった。
なら、最初にいい手札がきても、降参することで気弱な性格である事を印象づける。
第二戦では、自分の手札が表情でわかるように、わざと苦渋の表情を相手に見せた。
そして、向こうは、シンから第三戦で有り金全部を巻き上げようと、そこそこいい手札をよこすはずだ。だが、それをあえて捨て、新たに得たカードを見て微笑む。これで相手に前のカードよりもいい手札がきた、と思わせる。更にクレアとの会話も周りに聞こえるように、少し大きな声で話した。
あとは自信満々の態度でどんどん上積みしていく。相手にプレッシャーを与える為に。
「ええと、半額を僕は受け取れる訳だから、10万3千100ガルド!やったぁ!」
シンは両手をあげて、無邪気にはしゃいだ。