ガルド
ディーラーはシンの相手に顎を少し突き出し、促す。
「ではこちらも5000ガルド追加だ」
ここまでくれば奴も自分の相手がいいカードなのだ、と予測を立て、上積みを控えるだろう。したとしても、微々たる額のはず。
しかし、ディーラーの予想をシンは粉々に粉砕する。
シンはレイから受け取った二本のナイフをポーカーの台に乗せた。
「この二本のナイフもお願いします」
周りの観客は絶句してしまった。
そのナイフは誰が見てもわかる特注のナイフだったからだ。
ミスティックメタル神銀鋼製ナイフ。そのナイフがどれだけの額に上るのかはカジノのオーナーでさえわからなかった。しかもそれが二本っ!
流石にオーナーも、この事態がただ事では無いことを悟った。
ディーラーと、シンの相手は背中に冷や汗が流れたのを感じる。
(相手の手札は一体何なんだっ!)
(ブタだっ!よくてワンペア。それしか有り得んっ!)
だが、ディーラーにもひょっとしたら、という疑念がどんどん膨らむ。
「これは一本10万ガルド、って事でいいですか?」
シンの問い掛けに、ディーラーは慌てて頷いた。