シン
「…その口をふさ塞ごうか?シン?」
シンはやれやれ、と両肩をすく竦めた。
こういったしんらつ辛辣な言葉を使える相手というのは、よほど信頼できる相手でなければ出来ない。レイは無自覚の内にクレアにばりぞうごん罵詈雑言を浴びせている(クレアも無意識の内にレイにぼうじゃくぶじん傍若無人な態度を取っているし)。たった三日かそこらで出来た関係なのだから、大した信頼関係だとシンは思う。
そういった精神的な部分では、年上のレイ以上にシンは大人であった。
「…でも、もう追手がくるなんて…前までは最低でも二週間以上の間隔をあけて襲撃してきたのに…」
そう言うシンの顔は暗い。
「…奴等も本格的に俺達を追跡し始めた、ということだろう…」
レイもいつも以上に引き締まった表情だ。
二人の視線がこうさく交錯する。
何も言わずとも、二人の考えは一致していた。
シンが視線を外し、うって変わって明るい表情になる。
「今日は楽しもうよ、レイ。僕達もカジノに行ってみない?勝てば旅費の足しになるし」
「…そう言えば、お前はまだカジノに入ったことは無かったな…金の亡者の様子でも見に行ってやるか…」
二人の足は街のカジノに向かった。